ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス株式会社より、昨年発売開始しましたセンベルゴ®のエビデンスについて情報を提供いただきました。
最長6ヶ月、合計350頭以上の猫を用いた2つの大規模臨床試験結果を掲載しましたので、是非ご覧ください。
資料・コンテンツ提供:ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス株式会社
Evidence1: SGLT2阻害薬とインスリン注射の比較
- 試験デザイン
- 主要評価項目
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● 有効性の主要評価項目は、インスリン群に対するセンベルゴ®群の非劣性の検証とした。
● 治療の成功は、45日目において少なくとも1つ以上の血糖パラメータ及び臨床症状の改善がみられることと定義した。 - 結果
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猫の糖尿病治療において、センベルゴ®はインスリンと同等以上の効果とより迅速な血糖コントロールの改善を示した。
有害事象について
センベルゴ®群では副作用が少なく、臨床症状を伴う低血糖は認められなかった。
● SGLT2阻害薬投与時は、DKA予防のため、特に最初の14日間はケトンをモニタリングすべきである。
● インスリン投与時は、低血糖予防のため、血糖値をモニタリングすべきである。
論文:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jvim.17124
Evidence2: SGLT2阻害薬単独療法の有効性
- 試験デザイン
- 主要評価項目
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治療の成功は、30日目において少なくとも1つ以上の血糖パラメータの改善及び臨床症状の改善がみられることと定義した。
- 結果
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センベルゴ®では、迅速かつ持続的な臨床症状と血糖コントロールの改善が確認された。
● 治療開始7日目において54%以上のオーナーが多尿及び多飲の改善を報告し、6ヶ月時点では88%以上の猫で改善が認められた。
● 血糖コントロール※は治療開始7日目までに達成された後6ヶ月間の研究期間を通じて維持され、6ヶ月後時点では80%以上の猫で血糖コントロールの改善が認められた。
※血糖コントロールは、血糖値かつ/またはフルクトサミンがそれぞれの基準範囲内であることと定義した。
血糖値の基準範囲:72~175mg/dL フルクトサミンの基準範囲:191~349μmol/dL
有害事象について
センベルゴ®群では、臨床症状を伴う低血糖は認められなかった。
副作用の発現は、Evidence1(Niessenら)の研究と類似していた。DKAの発現を防ぐため、治療開始から最初の14日間はケトン体を慎重にモニタリングすべきである。
論文:https://avmajournals.avma.org/view/journals/javma/262/10/javma.24.03.0174.xml