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記事の最後に病院マーケティングサミットJAPANの代表理事である竹田陽介先生からコメントをいただいております。ぜひご覧ください!
求人サイトは利用されているのか?
まずは獣医師の先生方がどのように動物病院を探しているのかみていきたいと思います。こちらのグラフは2019年に実施した勤務医の方向けのアンケート結果です。
転職先を探すときに使用する方法で最も多いものは病院のホームページの検索、次いで知人の紹介、3番目に求人サイトでした。これだけ見ると病院のホームページ検索が非常に重要で、SEO対策をきっちりしていくことが重要なように見えます。
今回は別の切り口として、いきなり動物病院検索をしているのか、求人サイトから気になった動物病院のホームページを検索しているのかを探ってみたいと思います。
求人サイトは気になる動物病院のピックアップ用に利用している?
動物病院を決めるときに求人サイトを利用したか?という質問に対し、約45%の人が利用したと回答しております。そして、求人サイトの利用をしている人のほとんどが動物病院のホームページを実際に確認していることがわかりました。
ここからいえることは、昨年の調査で最も多かった「動物病院のホームページを検索した」、という行動において、Googleなどの検索で動物病院のホームページを見たり、ダイレクトに特定の病院を検索してホームページに行きついているだけではなく、求人サイトがきっかけとなって気になる動物病院のホームページを検索する、というやり方をしている人も多くいることが分かります。
求職者は細かいところまで見ている!
動物病院のホームページへの行きつき方は大きく分けて下記の3パターンあるのではないかと思います。
Googleなどのブラウザでの検索
求人サイトで気になった動物病院の検索
SNS(特にFacebook)で気になった動物病院を検索
流入の仕方は様々あるものの、最終的に動物病院のホームページで見た情報が就職の意思決定に大きく影響を与えていることが予想されます。では、どのような情報が見られているのでしょうか?
やはり、求人募集ページ、スタッフ紹介ページ、勤務時間(営業時間・休診日)が上位3つにランクインしています。一方で院長のコメント、病院の理念、ブログ記事なども多くみられており、病院の雰囲気や考え方を知ろうとする傾向があります。また、意外にも病院のホームページのデザインも影響を与えていました。
具体的にどのようなデザインが良いか、についてまでは深掘りしておりませんが、おそらく自分が働きたいと思う環境であるかを想像する際に、病院が発しているホームページのトンマナが影響しているのだと思います。
トンマナとは?
どの項目が病院を決めるうえで強く影響しているかまでは調査できていませんが、動物病院を決める、ということは自分自身の人生やキャリアにおいて非常に重要な意思決定であり、そのために動物病院のことを知り、そこで働く自分自身をイメージできるかどうかをホームページから情報を得ているのではないかと思います。
求人について再考してみる
では、求人サイトの役割を再考してみたいと思います。私が考える求人サイトの役割は、
①自分の動物病院に興味関心を持ってもらい、Websiteに訪問してもらうこと
②Websiteだけでは不十分な情報を収集するためのコミュニケーションを図ること
であると考えます。
そのため、弊社が運営しているVETS CAREERでは動物病院のホームページのURLを掲載可能としております(意外とこれをやっているところは少ないです。理由は記載できませんが、あっせんを主とする企業における収益体制などを想像していただければお分かりいただけると思います)。また、LINEと連携することでログイン不要でサイトにストレスなくアクセスし、スマートフォンでも気軽にメッセージのやりとりができるようなデザインにしております。
最後にPR的な要素が入ってしまいましたが、大切なことは求職者が動物病院を決める際に必要な要素を自院のホームページにしっかりと掲載することだと思います。機会があれば、動物病院のホームページ作りについても特集してみたいと思います。
病院マーケティングサミットJAPAN代表理事
近年、どの業界の採用戦略においても自社サイト活用の重要性が注目されています。一昔前は「大手求人メディアに自社採用情報を掲載すれば十分」といった時代でしたが、多くの企業がオウンドメディア(主に自社サイト)やSNSを活用するようになり、今や「自社で働く人々の声や姿、環境」を現場目線で伝えることが、求職者の「ここで働きたい」を最も惹起する採用コンテンツとなってきました。
医療業界においても、求人情報の収集から採用応募にいたる求職者のカスタマージャーニーは大きく変化してきました。医師、看護師、薬剤師、その他ほぼ全ての職種で、求人メディアや採用エージェント、知人の口コミ等どのような認知経路を辿ったとしても、9割以上の求職者が応募前に「病院サイト」を閲覧すると言われています。
もちろん、いくら病院サイトの作り込みだけに注力しても、「見られていないことは知られていないことと同じ」です。
求人メディアを始めたとした複数の認知経路で「求職者に知ってもらう」を達成し、病院サイトやSNSを中心とした「自院で活き活きと働く人々の姿を魅せる」ことが、より多くの採用応募に繋がります。
これからの医療職採用戦略において、「認知経路としての求人メディア」と「応募を決意させる自院サイト&SNS」の両輪を十分に活用できるか否かが、「人財」獲得の明暗を分ける大きなターニングポイントになることは間違いありません。