日本全薬工業株式会社より、世界で初※となるネコ・エリスロポエチン製剤「エポベット」が9月4日(月)より販売開始となります!
これまでヒトのエリスロポエチン製剤だけだったところに、ついに猫用が開発されました。臨床試験データなども掲載しておりますので、是非ご覧ください。
資料・コンテンツ提供:日本全薬工業株式会社
※承認取得時の調査結果に基づく
世界初!猫のために作られたエリスロポエチン製剤
これまでのエリスロポエチン製剤はヒトのものだけでしたが、エポベットは猫のために開発された世界初のネコ・エリスロポエチン製剤となります。
用法及び用量:猫体重3kg当たり本剤1mL(0.33mL/kg)を2週に1回皮下に注射する
効能及び効果:猫の腎性貧血
猫のストレスにも配慮、2週間に1度の投与頻度で効果が持続
ポリエチレングリコールを付加したネコ・エリスロポエチン製剤(PEG化ネコEPO)。PEG化することで血中の滞留性が向上し、2週間に1度の投与頻度で効果が持続します。
薬物動態パラメータ | 平均値 | 標準偏差 |
---|---|---|
Cmax (ng equiv./mL) | 103 | 15 |
Tmax (h) | 24 | 0 |
t1/2 (h) | 141.6 | 10.3 |
臨床試験において確認された有効性と安全性
国内の臨床試験において、腎性貧血の改善と安全性が確認されています。
裏付けされたデータとともに、動物用医薬品による治療選択肢を提供します。
- 臨床試験のプロトコール
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対象動物:腎性貧血と診断された猫(62頭)
International Renal Interest Society(IRIS)の病期分類で3または4(クレアチニン濃度が2.9mg/dL以上)と診断され、かつ、ヘマトクリット値(Ht)が25%未満の症例を組み入れた。投与方法:ネコEPOタンパク質36.6µg/kgを、2週間隔で最大6回皮下投与した。
他剤の影響を除外するため、鉄剤及び鉄サプリメント、造血作用がある薬剤、
骨髄機能抑制作用のある薬剤、溶血をきたす可能性のある薬剤の併用を禁止とした。
また、過度な造血が認められた際は、担当獣医師の判断で投与量の減量や投与の見送りを行った。 - 貧血の回復状況
- 貧血の回復割合
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8週目と12週目の両時点ともでHtが25%以上に達した症例を貧血から回復したと定義した。
なお、12週目まで試験計画通り治験を遂行できた19頭で評価を行った。結果は19頭中16頭で貧血から回復した。
% - 血液学的検査
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鉄(Fe)・不飽和鉄結合能(UIBC)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)の推移は下グラフのとおり。
Fe、MCV、MCHの低下及びUIBCの増加という鉄欠乏時に認められる所見が確認された。使用上の注意
- 有害事象について
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因果関係が強く疑われると判断した有害事象は高血圧で観察期間中に1例で認められた。
理由としては、EPO等の赤血球造血刺激因子には血管収縮作用があること、ヘマトクリット値の上昇により血液粘度が亢進することが分かっており、ヒトEPO製剤を投与したネコでも高血圧が発生することが報告されていることから、本剤で生じうる副作用だと判断した。 - 抗体産生及び中和活性について
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12週目に血清が得られた30症例に対し抗体検査を実施したところ、1頭のみ抗体が産生されたこと、中和活性はないことが確認された。
当該個体については、本事象以外の特筆すべき事象は見られなかった。使用上の注意